おりりんな日々

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S先生にお尋ねしたいこと

S先生。
先日は大変興味深いお話しをお聞かせいただき、誠にありがとうございました。一つお尋ねしたいことがあって、キーボードを叩いております(昔なら、もちろん「筆をとっています」と書くところですね)。
まず、私は先生の存在そのものに圧倒されました。一つの道を切り開いていった方が持つ、そのエネルギーにです。それから、その該博な知識に。
しかしながら、なのです。私の幼少期とは、先生が「親や大人はこのように子どもに接していくべきだ」とおっしゃるようには過ごすことができませんでした。極めて底の浅い文化的背景しか持ち合わせておりませんでした。
つまり、先生がおっしゃるような豊かな文学体験をしてはこられなかったのです。
このように育ってしまった大人は、大勢いる、いや、むしろほとんどの大人はそのように育ってしまったのだと思っております。
では、そのような大人はどのように生きれば、もう少し踏み込めば、「生き延びれば」よいのかと先生はお考えでしょうか。
私は、かつて同じような思いをしたことがありました。それは、かの灰谷健次郎さんの著作(著名は失念してしまいましたが)を読んでのことでした。
灰谷さんのその著作では、少年がいかにも伸びやかに、大人の干渉や思惑をものともせずに育っているさまが描かれていました。そんな作中の少年に、私は肩入れすることができなかったのです。つまり、私とは違った世界の人間としてしか感じられなかったのです。
むしろ、そのように育たなかった私を否定されたような気持ちになったものです。そんなことが、先生のお話しを伺ってからの帰路で去来いたしました。
先生。私はこれまでどうにか生きてきました。しかし、多くの大人たちは、いったいどのように生き延びることができるのでしょうか。不躾ながら、お尋ねしたいと思い、この文章をしたためた次第です。
最後に、寒さが増しているこの季節、どうぞお体にはお気をつけくださいますよう。お目汚し、失礼いたしました。
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