おりりんな日々

読書/Kindle/クラシック/ジブン手帳mini

〈今週のお題〉人生に影響を与えた1冊

こんにちは。

今回は初めて、〈今週のお題〉で書いてみたいと思います。と言うのも、今日読み終わった岩波新書『社会科学における人間』についてちょっと書いてみたくなったということと、〈お題〉とがたまたま一致したからです。

 

社会科学における人間 (岩波新書)

社会科学における人間 (岩波新書)

 

 

つまりは、ぼくにとってこの『社会科学における人間』は、「人生に影響を与えた」1冊ということです。この本と出会ったのは、1982年という遥かな昔、大学1年のことでした。ひょんなことから先輩に勧められて読んでみたのがきっかけです。

当時はまだ大学の社会学科に進学して、右も左も分からない頃でした。ましてや、自分が選んだ「社会学」が、何を研究するのかは皆目見当がつかない頃でした。そこへ来て、この本でマックス・ウェーバーを知ることになった。宗教社会学という分野があること自体が新鮮だったし、これで少しはマジメに勉学に取り組んでみようかなと思った(ホンの少しですがw)ことも確かです。

おおよそ、本著では三つの柱が立てられています。すなわち、

ロビンソン・クルーソー物語に見る人間類型論、

マルクスの経済学における人間の問題、

ウェーバー社会学における人間の問題、

です。

ロビンソン・クルーソー物語』が取り上げられているのは、言ってみれば「社会科学」が暗黙裏に前提していた人間の行動パターンが、典型的に描かれているからです。それを大塚は「中間的生産者層」の行動パターンととらえています。

マルクスについては、今回読んでもあまりよくわからなかったので割愛させていただきますが、ウェーバーの「宗教社会学」では、まず『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に見られるように、初期資本主義が「西欧」「近代」という、地域的にも歴史的にも「限定的」な条件の下で形成されていることに着目していることが取り上げられていることを概観します。

続いて『世界宗教の経済倫理』を簡単に繙き、諸文明が産んだ人間の行動パターンが、どのように「個性的」に成り立っていくのかを解説していきます。

ぼく自身、信仰を持っている人間として、信仰が文明の形成に大きく与っているという論の展開は、スリリングに思えました。

最初に読んだのが82年でしたが、その後数年間は、毎年ぶつかり稽古をさせてもらうかのように、この本を読んでいました。

今回久しぶりに読んでみたのは、主宰している「Skype読書会」でのテキストとしてあがったからでした。もう何度も読んでいるので、幾分かはマスターできているだろうと思っていたのですが、それは大きな誤算でした。先にも触れたとおり、マルクスについての記述がテンで分かっていないことが判明しましたし、「こんなことを」「こんなところまで」書き込んであったのかと唸らされました。それは、懐かしい恩師のお小言を聞いているかのような感じでした。

今回の再読に満足することなく、改めて読んでいきたいと思わせてくれた一書でした。

広告を非表示にする